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公開講座第5回報告:「生きる」につなげる大学の知識

2016年02月01日

「生きる」につなげる大学の知識 ―大切な命と心のスパイス―

第 5 回 11/24(火)15:10~16:40 報告
もし目の前で意識がなくなったら! ~最近の心肺蘇生法:成人と小児、幼児、乳児の違い~
講師 金子芳一(本学講師) 於:図書館大セミナー室
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第 5 回公開講座(受講者 18 名)、最初は心肺蘇生の重要性についての話です。 現状では、全国平均の救急車到着までの所要時間は 8.3 分、一方心肺停止状態 になって障害なく脳が戻るまでの許容時間は 4 分、脳に障害が残らず蘇生する ためには、できるだけ早く脳に血液を循環させる必要があります。そのため、 人が倒れた場合には、その場にいる人が心肺蘇生を行えることが重要です。心 肺停止状態からの時間経過と救命率は1分ごとに10%ずつ低下するといわれます が、胸骨圧迫のみの心肺蘇生法の普及で救命率の向上がみられています(総務 省消防庁:全国院外心停止調査より)。

倒れた人をみかけて最初に行うのは、救助者自身の安全確保です。傷病者が 安全ではない場所にいる場合は安全な場所へ移動後、呼吸や意識の確認(脈や呼 吸を詳しく判定しようとせず、時間を無駄にしない)、助けを呼んで、AED を持 ってきてもらう人・救急車を呼ぶ人など具体的に依頼を行います。119 番した場 合、最初に「救急車をお願いします」それから伝えることは、場所・道路名・商店 街・目印になるもの、傷病者の状態(意識・呼吸・出血・けがの有無・応急手当の指 示を聞く)、自分の氏名などです。
それから、まずは胸骨圧迫を行います。胸骨圧迫のやり方について詳しく説 明がありました。以前は心臓マッサージと呼んでいましたが、現在は胸骨圧迫 といいます。手のひらの付け根で両乳頭の真ん中に腕を伸ばした状態で深さ 5cm の圧迫を 100 回/分というかなり早いスピードで「強く、速く、絶え間なく」行 うことが重要である。1 歳以下の乳児の場合は中指と薬指 2 本で、乳頭の中間よ り少し足よりを胸の厚さ 1/3 の深さまで 100 回/分行います。圧迫の解除はしっ かり胸の厚みが戻るのを確認します。(乳児は胸郭が軟らかく、気道が細いので)
また、行う順序も以前は A(気道確保)B(人工呼吸)C(胸骨圧迫)の順であったが、 現在はまず C(胸骨圧迫)、それから A(気道確保)、胸骨圧迫 30 回に 2 回の B(人 工呼吸)となりました。
気道確保は舌根沈下を防ぐため、あごを上げて、頭を後ろに、首をまっすぐ にする。首のつけ根に小さな枕のようなものを当てるとよいです(肩枕)。
人工呼吸は、胸骨圧迫を 30 回につき 2 回の割合で行います。鼻をつまみ口か ら強く息を、胸がふくらむまで吹き込みます。2 回やったら速やかに圧迫を再開 します。乳児の場合は口と鼻を一緒にくわえて行います。人工呼吸を行って胸 骨圧迫が長い間中断するよりは、胸骨圧迫を継続した方が良いとのことです。
また、いざという時に使用するもので、自宅に準備しておくとよいものとし て、①板(ベッドなどで胸骨圧迫が必要なときには傷病者を速やかに床・畳など 硬いところへ移動します。やむを得ない場合にはこたつ半分くらいの上半身が 乗る程度の大きさの板を敷いて胸骨圧迫を行います。このための板です。)②肩 枕の代替(小さ目のバスタオルなどを丸めて使う)があるとのことでした。

AED の使い方の説明もありました。スイッチ ON、パッドを書いてある通りの 場所に貼る、貼り方が不十分だとやけどする可能性があります。音声ガイドの 指示に従ってパッドをコネクタに接続します。「心電図の解析中です、離れて下 さい」AED は自動的に心電図の解析を行います。この間は圧迫を中止、「ショッ クが必要です」、「離れてください」、「ショックボタンを押します」誰も傷病者 に触れていないことを再確認し、ショックボタンを押す。通電後、「ショックが 完了しました」AED は自動解析を行います。AED の指示に従い、その後直ちに胸 骨圧迫を開始する。「ショックが不要」の場合も、回復したということではない ので、胸骨圧迫を続けます。AED は 2 分毎に自動解析により電気ショックが有効 な状態であるかを判断し、心臓の筋肉が痙攣している状態では筋肉に号令をか け、正常に戻す役割があります。救急隊が到着するまで AED はつけておきます。

心肺蘇生が大事、重要なことは理解していましたが、その具体的な方法や注 意すべき事柄などをくわしく教えていただけました。参加者からも、実際にや るときに気をつけることなどの質問がなされ、充実した公開講座となりました。

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