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公開講座第6回報告:「生きる」につなげる大学の知識

2016年02月05日

東海学院大学・東海学院大学短期大学部公開講座 2015
「生きる」につなげる大学の知識 ―大切な命と心のスパイス―
第 6 回 12/10(木)10:00~11:30 報告
お地蔵さんの魅力 講師 浅野秀男(本学講師)
於:図書館大セミナー室

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今年度最後の第6回公開講座(受講者 29 名)は、浅野秀男先生の「お地蔵 さんの魅力」でした。
まず、浅野先生の今年の出展作品(彫刻)のご紹介、さらに石仏研究のきっ かけのお話から始まりました。

石造物のうち墓碑や亀趺(墓石の礎の部分が亀になっている)の例を挙げら れ、会津藩松平家の墓や狩野派の墓にその事例が見られることを紹介されまし た。

今回のテーマであるお地蔵様はいわゆる石仏。石仏研究の端緒として、日本 最古の石仏や岡本太郎が絶賛したという万冶の石仏を見せて頂きました。後者 は自然の岩石をそのまま利用しており、なかなか味わい深いものでした。

さらに、日本仏教の概略にうつり、奈良仏教から、密教、浄土宗、禅宗、日 蓮宗など 13 宗派が派生してきた大きな流れをお話されました。また、仏像の 基礎知識について概説され、釈迦如来像が基本、仏像の世界は4つのステージ からなる、如来と菩薩のお姿の特徴など、仏像の基本を説明されました。
時々脱線されたり、駄洒落を飛ばされたりして、メインイベントの美濃地方 のお地蔵様のスライドショーが始まったのが残り 20 分。地蔵菩薩や西国三十 三ヶ所観音の石仏群をご紹介頂きました。いずれも風雪にさらされ、自然の力 によって磨かれたなんともいえない荘厳さがあらわれていました。
石仏はお寺の中に鎮座しているわけではなく、地蔵菩薩がその辺にころがさ れている場合もあることを知り、木造や乾漆造の仏像と比べると少々かわいそ うな気持ちになりました。また、この地方の石仏を分類して、製作者を推定す る作業など興味深いものでした。 質疑応答の時間もあまり取れませんでしたが、それでも何人かの参加者は先 生を取り囲んでご質問をされていらっしゃいました。

沢山の画像をご準備され ていたようですが、十分に拝見できなかったことが残念でした。またの機会を 期待したいと思います。

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